誉(愛知)VS八戸学院光星(青森)_2019年夏甲子園初日
令和となって初の甲子園の初戦。
開会式直後の試合とあって両チームともに難しさがあったと思う。
ましてや初出場の誉高校(愛知)は訳が分からないままフワフワした状態で試合開始を迎えてしまったのではないか??
対する八戸学院光星高校(青森)も甲子園常連高校とはいえ、難しさがあったはず。
目次
出場校紹介
八戸学院光星(青森)・2年連続10回目
6試合で.425、15本塁打(出場校中最多)という強打のチーム。18犠打に対して3盗塁と、盗塁は少ないものの強打で補う。6試合で72得点を誇る。
一方で2失策という堅守も持ち味で6試合でわずか9失点で抑えてきた。
青森大会は6人の投手の継投で勝ち進んだ。多彩な投手陣で相手を翻弄する。
誉(愛知)・初出場
8試合.304、2本塁打であるものの、26犠打を記録し、しっかりと送ってチャンスを作るチーム。接戦に持ち込みたい。
杉本、山口という2人の投手の継投で勝ち進んできた。
強豪ひしめく愛知県188チームの頂点に立った勢いで勝ち進みたい。
両チームのスタメン
先攻・八戸学院光星
1.遊 武岡
2.中 島袋
3.一 近藤
4.右 原
5.左 大江
6.三 下山
7.二 伊藤
8.捕 太山
9.投 後藤
後攻・誉
1.三 内田
2.二 手塚
3.遊 澤野
4.一 吉田
5.捕 林山
6.左 板又
7.右 坂
8.投 杉本
9.中 松田
試合展望
1回表
1番武岡の初球、2球目と大きく抜けたボールを投じてしまい、3球目に死球。緊張が見て取れる。捕手の林山も落ち着いてとジェスチャーを送る。
2番の島袋は初球で3塁前に送りバント。非常にうまいバントであった。1死2塁。
3番の近藤に対しては4球連続でストライクが入らず四球。1死1,2塁。
ここで捕手の林山がマウンドへ。
これで落ち着いたのか、4番の原に対しては変化球でカウントをとり、最後は外角のスライダーで空振り三振。2死1,2塁。
誉の杉本とすれば、これで勢いに乗りたいところであったが、5番の大江に死球をあたえてしまう。2死満塁。
ここで6番の下山。2球目インコース低めのストレートを振りぬくとこれがまさかの満塁ホームランに。一気に4点を先制する。滞空時間の長いホームラン。
7番の伊藤は高めの変化球を捉え、いい当たりも正面を突き、ショートライナー。
チェンジ。
ヒット1本で4点を先制。杉本には緊張もあっただろうが、非常にもったいない展開となってしまった。
八戸学院光星4-0誉
1回裏
なんとか1点ずつ追い付きたい誉高校
八戸学院光星の先発は県予選1試合で1イニングのみの登板であった後藤。
1番の内田はセーフティバントの構えもしながら相手を揺さぶる。バッターボックスのベースよりギリギリに立つ。セカンドゴロも相手の送球ミスを誘い出塁。無死1塁。
2番の手塚はスリーバント失敗。2ストライク目のストレートを見逃してしまい、最後は外に逃げる変化球を追いかけてしまった。1死1塁。
3番の澤野に対しては外角の出し入れで攻めていく。最後は外角ストレートで三振。2死1塁。
4番の吉田に対しては初球スローカーブを見せる。全くタイミングが合わず、ファーストゴロに打ち取られる。
チェンジ。
全体的に緊張が見られ、攻撃もチグハグになってしまっている。
八戸学院光星4-0誉
2回表
8番太山はインコース2球からの外の変化球でセカンドゴロ。
9番後藤に対してはクロスになるインコースを攻めるが、フルカウントから抜けてしまい四球。
1番武岡は外のスライダーで三振。2死1塁。
2番島袋に対してストライクが入らず3ボールに。ここで1球牽制を挟み、一旦間をおいた。これで落ち着きを見せ、ストライクを1球とるも死球。2死1,2塁。
3番近藤に対してもフルカウントとしてしまうが、最後はインコース低めのストレートで三振に取る。
チェンジ。
変化球が抜けてしまう苦しいピッチングが続く。
八戸学院光星4-0誉
2回裏
5番林山は高めの変化球を捉えるも打球は正面を突きサードゴロ。
6番坂又は3ボール1ストライクからインコースのストレートを打つも若干詰まってしまいセカンドゴロ。
7番坂は外角を打ちセンターフライ。
3人で攻撃を終わってしまう。
八戸学院光星4-0誉
3回表
4番原はファーストゴロ
5番大江は見逃し三振
6番下山は空振り三振
ここで三者凡退に抑える。
八戸学院光星4-0誉
3回裏
8番杉本は1ストライクからの外角変化球を打ちレフトフライ。レフトはやや前に守っていたものの背走し、余裕を持ってキャッチ。
9番杉本は1ボール2ストライクから高めの球を打つもショートゴロ。
1番内田インコース高めのストレートに詰まりファーストフライ。
チェンジ
この回の誉の攻撃はセーフティバントの構えをして揺さぶるも結果的に高めに浮いた絶好球を見逃してしまう結果に。
八戸学院光星4-0誉
4回表
7番伊藤は真ん中の変化球を捉えるも大きなセンターフライに終わる。
8番太山は2ボール2ストライクからインコースのストレートを打ちライト前ヒット。1死1塁。
9番後藤は初球のバントを空振りしてしまう。キャッチャーから1塁へ牽制をされるもなんとかセーフ。1ボール1ストライクからバントをきれいに決めた。2死2塁
ここで誉は伝令を送る。
1番武岡は1ボール1ストライクから外角の変化球を打ち、一二塁間を破りライト前ヒット。ライト坂からの好返球も間に合わず1点追加。
八戸学院光星5-0誉
2番島袋は初球で死球。2死1,2塁。
3番近藤は2ボール2ストライクからランエンドヒットの形なり、サードゴロ。
チェンジ
投手の杉本は4回までで78球を投げる苦しい投球が続く。
八戸学院光星5-0誉
4回裏
2番手塚は3ボールから2球見逃し、フルカウントとなってから真ん中のスライダーをうちレフト前ヒット。チーム初安打。無死1塁。
3番沢野はサード前にきれいな送りバント。1死2塁。
4番吉田2ボールから高めの変化球を打つもレフトフライ。2死2塁。
5番林山はバットを短くもつ。2ボールからのインコースストレートを打ちショートゴロ。三遊間の打球をショート武岡がうまくさばいた。
チェンジ
八戸学院光星5-0誉
5回表
4番原はフルカウントから外の変化球で三振。インコースを攻めてからの外という良い配球であったと思う。
5番大江は初球インコース変化球を打ち一塁線を破る2塁打。1死2塁。
6番下山は1ボール1ストライクからの低め変化球をうまく救うもレフトフライ。2死2塁。
7番伊藤は2ストライクからの外角ストレートを打つもセンターへの浅いフライ。
チェンジ
八戸学院光星5-0誉
5回裏
6番坂又は1ストライクから外角チェンジアップを打ちレフトフライ。
7番坂は1ボールから外角チェンジアップを打ちセンターフライ。
8番杉本に代わり畠中。外角の良い球が続く。1ボール2ストライクからインコース低めのボール球に手を出してしまい三振。
チェンジ
八戸学院光星5-0誉
6回表
誉高校:代打の畠中に代わり投手に右腕山口。
8番太山の初球に135km/hを投げる。先発杉本よりも数キロ速い。詰まらせるピッチングをしたい。1ボール2ストライクから死球を与えてしまう。無死1塁。
9番後藤ややプッシュ気味のバントをする。投犠となり1死2塁。
1番武岡は2ボールからのインコース低めストレートを打ちセンターオーバーフェンス直撃のスリーベースヒット。1点追加。ガッツポーズしながら緩めに走る。ちゃんと走ろう。1死3塁。
八戸学院光星6-0誉
2番島袋はまた死球。本日は大当たり。1死1,3塁
ここで誉高校は2度目の伝令。
3番近藤。誉高校の内野は中間守備を選択。1ストライクからのストレートを打ち、やや詰まるもライトへの犠牲フライ。1点追加。2死1塁。
八戸学院光星7-0誉
4番原フルカウントから低めの変化球を振らせて三振。
チェンジ
八戸学院光星7-0誉
6回裏
八戸学院光星:投手後藤→山田
後藤は被安打1、投球数59のナイスピッチングであった。
山田はスリークォーターから140km/hを越える直球とスライダーが持ち味。
9番松田は外角のボールになるスライダーを振って三振。
1番内田はフルカウントからインコース142km/hのストレートに詰まりショートゴロ。
2番手塚はフルカウントからしっかり選び四球。2死1塁。
3番澤野は1ボール2ストライクからインコース低めのストレートを打ちファーストゴロ。
チェンジ
八戸学院光星7-0誉
7回表
5番大江は初球インコース低め135km/hのストレートをきっちり捉え右中間へのツーベース。無死2塁。
6番下山は初球は普通に見逃すも1ストライクからの2球目にバントへ切り替え成功。1死3塁。
7番伊藤。誉の内野陣は前進守備。山口がショートバウンドを投じるも林山がうまく止める。2ボール2ストライクから高めの変化球を捉えるもサード内田が横っ飛びで捕球。ファーストへの送球がやや逸れるもバッターランナーにタッチしアウト。ファインプレイ!2死3塁。
走者の大江もよく戻った!
8番太山は2ボール2ストライクから死球。2死1,3塁。
9番山田は高めのボール球に手を出し三振。
チェンジ
八戸学院光星7-0誉
7回裏
4番吉田は高めのストレートを打ち、ピッチャーへ高いバウンド。投手の山田が反応し、グラブにかろうじて当てる。セカンド伊藤が前進して捕球し1塁へランニングスロー。吉田のヘッドスライディングも及ばず1塁アウト。八戸学院光星の堅い守備が光る。
5番林山は1ボール2ストライクから低めのスライダーを引っ掛けてショートゴロ。
6番坂又は初球をうち、投手を越える高いゴロで内野安打。2死1塁。
7番坂。山田の投じたショートバウンドをキャッチャー太山がうまく止める。2ボール1ストライクからヒットエンドランをかけ、インコースのストレートを打ちセンター前ヒット。1塁ランナーの坂又は一気に3塁まで到達。2死1,3塁
8番山口の打席。誉応援団はモンキーターン(ロッテチャンステーマ)で盛り上がる!しかし、1ボール2ストライクからインコース低め139km/hのストレートに手が出ず見逃し三振。非常に良いボールであった。
チェンジ
八戸学院光星7-0誉
8回表
1番武岡は低めのストレートを打ちセンターフライ。
2番島袋は低めの直球を捉え打球はライナーで一二塁間へ。深めの外野手のポジショニングを見て一気に2塁へ。冷静かつ積極的な非常に良い走塁であった。1死2塁。
3番近藤は初球のインコースストレートを打ちツーベースヒット。レフト坂又が飛びつくも及ばず。1点追加。山口は外角を狙ったもののインコースへ入ってしまった。1死2塁。
八戸学院光星8-0誉
4番原の打球はレフト方向への高いフライ。レフトが前進するも、目測を誤ったか見失うか…。捕球できず記録は2ベースヒット。2塁ランナー近藤はハーフウェイから良い判断で3塁へ進塁できた。1死2,3塁。
2塁ランナー原に代わって澤波
5番大江はフルカウントから真ん中の球と打ち左中間へのフライ。レフトが捕球しバックホームも間に合わずに犠牲フライ。1点追加。2死2塁。
八戸学院光星9-0誉
6番下山は外角高めのストレートを打ちセンターフライ。センター松田は前進し目いっぱいのプレー。
チェンジ
八戸学院光星9-0誉
8回裏
八戸学院光星:代走の澤波がそのままライト。
9番、先ほど良いプレーの松田。1ストライクから外低めに逃げていくスライダーに手を出しセカンドゴロ。
1番内田はフルカウントからインコース低め140km/hのストレートを打ち右中間へ。非常にうまく打ったツーベースヒット。1死2塁。
2番手塚は2ボール2ストライクから外高めの球を振り三振。2死2塁。
3番澤野は1ボールからのストレートを打つも浅いセンターフライ。
チェンジ
八戸学院光星9-0誉
9回表
7番伊藤は1ボールからのストレートを打ちショートゴロ。
8番伊藤は初球を打ち高いレフトフライ。
9番山田は1ボール1ストライクから変化球を打ち三遊間を破るレフト前ヒット。サード前でバウンドが変わり、内田が反応するも捕れず。2死1塁。
1番武岡の打席。ここまで良い打撃をしているだけあり、外野は深く守る。追い込まれてから外角のストレートをうまく当ててセンター前ヒット。2死1,2塁
2番島袋は初球外角の変化球を打ちショートゴロ。
チェンジ
八戸学院光星9-0誉
9回裏
誉応援団は東邦高校の代名詞でもある「戦闘開始」で盛り上がる。東邦高校の吹奏楽部が参加しているだけあってものすごい迫力。
4番吉田は初球の外角変化球を打ちサードゴロ。
5番林山はストレートの四球。1死1塁
6番坂又は初球のストレートを打ちサードへの高いバウンド。下山がうまくランニングスローで処理。1塁アウトで2死2塁。
ここで2塁ランナー林山に代わって代走谷口。
7番坂はインコースストレートを打ちライトフライ。
試合終了
八戸学院光星9-0誉
試合総括
開会式直後の難しい試合の入りであった。緊張からか誉高校先発杉本の制球が定まらないうちに大量点を取った八戸学院光星は見事であった。初回のこの4点があったからこそ八戸学院光星先発の後藤はうまく立ち上がれたのかと思う。
杉本は2回、3回となんとか抑えたが、ストライクとボールがはっきりしており、苦しいピッチングとなった。その結果が4回の失点に繋がってしまった。
誉高校は6回表に投手を代えるが、八戸学院光星の選手にとっては打ちごろのスピードであったのかもしれない。
八戸学院光星も6回に非常に良いピッチングをしていた後藤から山田に投手を代えた。ここでエースナンバーの山田。先発の後藤は肘に不安があるということもあり、早めの交代となった。山田には次戦以降を見据えて経験を積ませるという目的でもあるだろう。
誉高校の攻撃にはややもったいなさを感じた。
初球の甘い球をバントの構えで見逃すことが多く、結果的に投手には楽なピッチングをさせてしまった。バッティングカウントからストレートに詰まることも多かった。最後まで狙い球を絞ることができなかったように見えた。また、スリークォーターからサイド気味のフォームから投げられる140km/h超のストレートに対応できなかった。オーバースローよりも下から投げられるだけ、高めのストレートは浮いてくるように感じたかもしれない。その分フライアウトが多くなってしまった。ボールの上を叩くような意識を持てると展開が変わっていたのかと思う。
八戸学院光星の攻撃はさすがという一言であった。
送りバントをする場面はきっちりと決め、しっかりとスイングするところは強いスイングができていた。とはいえ、常に無理なスイングをするという訳ではなく、コンパクトなスイングも織り交ぜながらのスイングとなった。また、ボールになる変化球をしっかりと見極めることができたのも非常に大きい。
誉高校は全体的に甲子園の雰囲気に飲まれてしまった感がある。とはいえ、激戦区愛知県を勝ち進んだのは決して偶然ではなく、実力あってのこと。今回の経験を活かして、来年も甲子園に戻って1勝をつかんでほしい。