高岡商業(富山)VS石見智翠館(島根)_2019年夏甲子園1回戦
目次
出場校紹介
高岡商業高校(富山)・3年連続20回目
6試合で打率.311、3本塁打ながら45得点をたたき出した。準々決勝では、延長11回を1-0で競り勝つなど、6試合で失策は3という堅守が持ち味。荒井、堀の両右腕で投手をつないできた。
石見智翠館高校(島根)・4年ぶり10回目
6試合で打率.376、4本塁打を記録。犠打、盗塁はともに7と少ないことから、どんどん打ってくるチームだと言える。決勝では延長13回サヨナラ勝ちという劇的な勝ち方で甲子園にやってきた。左腕の迫広と右腕の佐藤という二枚看板でつないできた。
両チームのスタメン
先攻・高岡商業
1.中 森田
2.三 井林
3.捕 石黒(優)
4.右 堀
5.左 藤井
6.遊 石黒(和)
7.投 荒井
8.一 菅澤
9.二 鈴木
後攻・石見智翠館
1.二 関山(愛)
2.中 河本
3.左 田中
4.右 名田
5.三 熊代
6.遊 関山(和)
7.一 南
8.捕 中野
9.投 迫広
試合展望
1回表
石見智翠館の先発は左腕の迫広。低めの変化球を出し入れで勝負するタイプ。
1番の森田は初球を振っていくがファウル。次の球を1塁側にドラッグでセーフティバント。これが2塁手の前に決まり内野安打。無死1塁。
2番の井林はチームで予選の成績が最も良かった選手。2番強打者論を採用している模様。そのためバントはほとんどないようである。フルカウントから1塁走者がスタートをきるもファウル。その後、四球となった。無死1,2塁。
3番の石黒(優)は初球からバントの構え。ファーストストライクをきちんとサードに捕らせるナイスバント。1死2,3塁。
4番の堀を迎え、石見智翠館の内野陣は前進守備をせず、定位置という守備陣形。結果的にストレートの四球となったが、すべて低めにコントロールされており、コントロールを乱した印象ではない。1死満塁。
5番の藤井を迎え、内野は中間守備。は2球目のインコースを打ち、大きな当たりも左に切れファウル。フルカウントからインコースのストレートが外れ押し出しの四球。1点先制。1死満塁。
石見智翠館後攻はここで伝令を送る。
6番の石黒(和)は1ストライクから外角高めを打ち、セカンドゴロダブルプレイ。
チェンジ
高岡商業は低めの変化球に手を出さないという意識が見て取れる良い攻撃であった。良い攻撃だったからこそもう少し点をとっておきたい場面であった。一方、石見智翠館としては大量失点のピンチを最少失点で抑えられたのは非常に大きい。伝令で落ち着かせることができた。
1回裏
高岡商業の先発は右サイドスローの荒井。ややシンカー気味のストレートが特徴。
1番の関山(愛)フルカウントからショートライナー
2番の河本初球を打ってセンターフライ
3番の田中変化球を振って空振り三振に倒れる。
チェンジ
立ち上がりを三者凡退で抑える。
2回表
7番の荒井は1ボール1ストライクから打ってセンター前ヒット。無死1塁。
8番の菅澤は初球で送りバントをきっちり決める。1死2塁。
9番の鈴木は初球にセーフティバントの構えをするもボール。2ボール2ストライクから132km/hのストレートを振って空振り三振。2死2塁。
早くも2巡目に入る。
1番の森田に対しては変化球から入って空振り。2球目はボール、3球目は低めの変化球を振って1ボール2ストライクとなったところで攻撃のタイムを使う。その直後の外角ストレートを打ち逆方向レフトポールに当てるホームラン!2点追加。
2番の井林も初球を打ち痛烈なライト前ヒット。 2死1塁。
。3番の石黒(優)は1ボール1ストライクから外角低めのストレートを捉えるも痛烈なセカンドゴロ。
チェンジ
2回裏
4番の名田はフルカウントからアウトコースを見極めて四球。無死1塁。
5番の熊代は逆方向へファーストゴロ。菅澤がうまくバウンドを合わせ捕球。3-6-3と渡るもダブルプレイは取り切れず。菅澤の処理後よく1塁ベースに戻ったが、2塁でのアウトのみ。1死1塁
6番の関山(和)は外角低めのストレートを引っ掛けセカンドゴロ。4-6-3のダブルプレイ。 ショートからファーストへの送球がショートバウンドになるも菅澤がうまく捕球。
チェンジ
3回表
4番の堀は1ボール2ストライクから真ん中の変化球をセンターにはじき返すもフェンス手前で失速。センターフライ。
5番の藤井はフルカウントから低めのチェンジアップを振って空振り三振。
6番の石黒(和)は初球高めのストレートを打ってレフトフライ。
チェンジ
3回裏
7番の南は3ボール1ストライクから外角のストレートを捉え右中間にはじき返すも、ライト堀のダイビングキャッチに阻まれてライトフライに。
8番の中野は2ボール2ストライクからインコースのシンカーを振って空振り三振。
9番の迫広は外角ストレートを打ちショートライナー。
チェンジ
4回表
7番の荒井は初球をうちショートゴロ。
8番の菅澤は2ボール1ストライクから低めのストレートを打ちショートゴロ。
9番の鈴木は2ボール2ストライクから外角に逃げていくスライダーに手を出し空振り三振。
チェンジ
4回裏
1番の関山(愛)は初球がふくらはぎ付近に当たり死球。痛そう…。無死1塁。
ここで高岡商業は伝令を送る。
2番の河本はストレートの四球。荒井は球が抜けている。無死1,2塁。
一気に攻めたい石見智翠館の応援団はサウスポーで盛り上がる。
3番の田中に対しては緩い変化球も交えて攻める。1ボール2ストライクから真ん中のストレートを打ちショートゴロ。6-4-3のダブルプレイ。2死3塁。
4番の名田はフルカウントから外角のストレートを見極めて四球。2死1,3塁。
ここでキャッチャーの石黒(優)がマウンドで声を掛ける。
5番の熊代は2ボール2ストライクから外の変化球で空振り三振。
チェンジ
伝令の後から緩い変化球がやや増え、緩急を使って攻めるようになった。
5回表
1番の森田は3ボール1ストライクから四球。
石見智翠館としてはチャンスを逸した後の先頭打者に四球。これは非常に点が入りやすいパターン。無死1塁。
2番の井林を迎えたところで1塁走者の機動力を警戒し、牽制球が非常に増えた。フルカウントからスタートを切る。スライダーで空振り三振となったが盗塁成功。1死2塁。
3番の石黒(優)は1ストライクからインコースのストレートを打ちセカンドへのハーフライナー。ショートバウンドで捕球し、記録はセカンドゴロ。2塁ランナーは3塁へ進塁。好判断だと思う。2死3塁。
4番の堀はフルカウントから低めのチェンジアップを見極めて四球。2死1,3塁。
5番の藤井の打席1ボール2ストライクから1塁ランナーの堀が盗塁成功。2死2,3塁。フルカウントから低めの変化球に手を出し空振り三振。
チェンジ
この回の迫広は高低にあれる場面があったが、ワンバウントをキャッチャーの中野がうまく止めていた。これがなければ失点は確実な場面であったと思う。
一方、高岡商業は得点できなかったが、5回までに90球以上を投げさせる攻撃ができた。
5回裏
6番の関山(和)は1ボール2ストライクから外角低めのストレートを逆らわずに左中間へ2ベース。無死2塁。
7番の南は初球のインコースストレートを打ち詰まったショートゴロ。ランナー進めず。1死2塁。
8番の中野に対して1ストライクから緩い変化球を投じる。芯でとらえたがタイミングが早く、ファウルになったものの、あの球に手を出す意識は非常に大事であると思う。1ボール2ストライクから外角低めのストレートに手が出ず見逃し三振。外角のボールゾーンからシュートしてストライクゾーンに入ってくるような軌道。2死2塁。
9番の迫広はフルカウントから外角低めのストレートを打ちファーストゴロ。
チェンジ
6回表
6番の石黒(和)は2ボールから真ん中のストレートを捉えレフトへのクリーンヒット。無死1塁。
7番の荒井は初球からバントの構え。ファーストストライクをキャッチャー前にきっちりと決めバント成功。1死2塁。
8番の菅澤はストレートの四球。1死1,2塁。この時点で迫広は100球を突破。
9番の鈴木は初球を打ってセンターフライ。2死1,2塁
1番の森田は1ストライクから変化球を打ち、ファーストゴロ。
チェンジ
迫広はピンチを迎えながらも粘りの投球を見せる。
高岡商業はなかなか点を取れない嫌な流れ。
6回裏
1番の関山(愛)は初球の外角緩い変化球をしっかり捉えてセンター前ヒット。無死1塁。
石見智翠館としては点を取れそうな流れが近づいてきているような…?
2番の河本は2ストライクから外角に逃げていくシンカーを振って空振り三振。1死1塁。
3番田中の打席。初球で関山がスタートを切り盗塁成功。1死2塁。流れが切れかけたところで盗塁を決め、強引に流れを引き戻すよう。その直後の球が足に当たり死球。1死1,2塁に。
ここで高岡商業は伝令を送る。
4番の名田は1ボール1ストライクからインコースのストレートを打ちライト前ヒット。1死満塁。
5番の熊代を迎えたところで高岡商業の内野はダブルプレイシフトを選択。外角の変化球を打ちピッチャーゴロ。ホームでアウト。2死満塁。
6番の関山(和)は外角のシンカーを打ちライト前ヒット。1点を返すも、ライト堀からの好返球により2塁ランナーはホームでアウト。
チェンジ
やはり点が入ったという印象。ライト堀の守備が非常に大きい仕事をしている。先ほどのバックホームがセーフになっていたら一気に同点、逆転となってもおかしくない展開であった。
7回表
2番の井林は3ボール1ストライクから四球。無死1塁。
迫広には少し疲れが見えてきた様子。ややボールが高めに浮きはじめた。
3番の石黒(優)にバントの構え無し。2ストライクからの3球目に1塁ランナーの井林がスタートを切るもタッチアウト。ショート関山(和)がショートバウンドの送球をうまく処理。直後1ボール2ストライクから低めの変化球に手が出て空振り三振。
0ボール2ストライクという1球外す可能性が大きいカウントで無理して盗塁をする必要があったとはあまり思えない。投手が荒れはじめたという中でもったいないように思う。高岡商業ベンチにも焦りがみえる。
4番の堀は3ボール1ストライクから四球。2死1塁。
5番の藤井の打席。1ボールからの2球目で1塁ランナーの堀が盗塁成功。2死2塁。3ボール0ストライクからのインコースストレートを打ち、レフト前ヒット。2塁ランナーの堀がホームに返り、1点追加。なおも2死1塁。
ここで石見智翠館は右腕の佐藤に交代。
6番の石黒(和)は初球を捉えレフト前ヒット。2死1,2塁。
7番の荒井はフルカウントからピッチャーゴロ。
チェンジ
7回裏
7番の南は低めのストレートを打ち、センターフライ。
8番の中野はインコースのストレートを打ち、詰まったセカンドゴロ。
9番の佐藤は初球のストレートを打ち、ショートゴロ。
チェンジ
点を取った直後の守りを無失点に抑える。
8回表
8番の菅澤は1ボール1ストライクから高めのストレートを打ちライトフライ。
9番の鈴木は1ボール1ストライクからインコースのストレートを打ちセカンドゴロ。
1番の森田は1ボール2ストライクからフォークボールで空振り三振。
チェンジ
8回裏
1番の関山(愛)は初球のストレートを打ちセカンドフライ。
2番の河本は2ボール1ストライクから外角低めの変化球を逆らわずに左中間にはじき返しツーベースヒット。ここで荒井は100球を越える 1死2塁。
3番の1ストライクから低めをうまくセンター前へ。2塁ランナーの河本が返り1点を返す。なおも1死1塁。
4番の名田の打席。2ボール0ストライクとなったところで高岡商業ベンチは伝令を送る。これで3回を使い切った。その直後の球を打ちセンターフライ。2死1塁。
5番の熊代は2ストライクから真ん中の変化球を強振して空振り三振。
チェンジ
石見智翠館としてはあまりつなぐ意識がみられないのが残念。
9回表
石見智翠館選手交代:ピッチャー佐藤に代わりライトに東田。ライトに入っていた左腕名田がピッチャー。
2番の井林は1ボール1ストライクから真ん中のストレートを捉えてセンター前ヒット。非常にコンパクトなスイングを見せた。
3番の石黒(優)は初球にバントの構え。2ボール1ストライクからサード前にバントを決めた。1死2塁。
4番の堀はフルカウントから外の変化球を見極めて四球。1死1,2塁。
5番の藤井は2ボール1ストライクからインコースのストレートを打ちショートゴロ。6-4-3のダブルプレイ。セカンドからファーストへの送球がショートバウンドになったが、南がうまく捕球した。藤井のヘッドスライディング及ばず。
チェンジ
9回裏
高岡商業は荒井が続投。
6番の関山(和)は1ボール1ストライクから外角の変化球を打ちショートフライ。
7番の南に代わり代打伊藤。1ボール2ストライクから死球。追い込んでいただけにもったいない。1死1塁。
8番の中野に代わり代打片岡。1塁ランナー伊藤に代わり代走三谷。2ボールからインコースのストレートを打ちレフト前ヒット。1死1,2塁。
9番は先ほどの守備から交代した東田。1ボール2ストライクから外角のストレートをはじき返すも痛烈なファウル。ここで打者へ投球する前に牽制球を挟む。一旦落ち着くという意味でも非常に良いタイミングでの牽制球であった。しかし、その直後のストレートをライト前ヒット。ランナーそれぞれ進塁1死満塁。
1番の関山(愛)は初球を打ちレフト前ヒット。2塁ランナーも返り土壇場で同点に。なおも1死1,2塁。
ここで高岡商業は投手交代。ライトの堀がピッチャー。ライトに志水が入る。荒井124球を投げるも最後の最後で粘り切れなかった。
2番の河本。初球のストレートは135km/h。2球目の変化球がワンバウンドとなり、ランナーそれぞれ進塁。1死2,3塁。もう変化球は投げにくいカウント。1ボール1ストライクからのインコースきわどいストレートがボールの判定。これは堀にしてはつらい。流れが石見智翠館にあるだけにこのような判定になりがち…。その後、四球で1死満塁。
3番の田中。内野は前進守備。やはり投球練習不足か、変化球がワンバウンドになってしまう。キャッチャーの石黒(優)がよく止めた。変化球2球はずれ、2ボール1ストライクになったところで石黒(優)がマウンドへ。次の球は高めのストレート。バッターも思い切ってスイング。その後もストレートを続けるもバッターはファウルで逃げる。2ボール2ストライクから低め140km/hのストレートを打ちサードゴロ。ホームでアウト。2死満塁。
4番の名田に対してもストレートで勝負。石見智翠館の応援団はここぞとばかりに大音量での応援。高岡商業の応援団からは祈りにも近い声援が聞こえる。2ボール1ストライクからのストレートを打ちショートゴロ。
チェンジ。延長戦へ。
こんな絶体絶命の場面で登板した堀は本当によく抑えた。一つのミスも許されない場面でサードの井林、ショートの石黒(和)もよく落ち着いてプレイできたと思う。
10回表
ここで照明が点灯。
6番の石黒(和)は1ボールから外角のストレートをセンター前ヒット。無死1塁。
7番には先ほどの守備から入った志水。バント失敗サードフライ。1死1塁。
8番の菅澤 は2ボール1ストライクから死球。1死1,2塁。
9番の鈴木は初球で送りバント成功。2死2,3塁。
1番の森田は1ボールからのインコース低めのスライダーを打ち、フェンス直撃のタイムリースリーベースヒット。低めの難しい球であったが非常にうまく打った。2点を勝ち越し、2死3塁
2番の井林はストレートの四球。2死1,3塁。
3番の石黒(優)2ストライクとなったところで攻撃のタイム。その次の球を打ち、ショートゴロ。
チェンジ
10回裏
再び土壇場に立たされた石見智翠館は追い付けるか?堀は変化球も交えた投球ができないと苦しい場面。
5番の熊代。初球は137km/hのストレートで入る。2ストライクとなったところで変化球を投じるも大きく外れる。フルカウントから139km/hの高めストレートを打ちレフト前ヒット。無死1塁。
高岡商業ここで投手交代。ライトの志水に代わりピッチャー松代。堀は再びライトに。
6番関山(和)の初球で変化球がワンバウンドに。捕手は捕球したつもりになったのか、処理が遅れてランナーは2塁へ。ここでキャッチャー石黒(優)がマウンドへ。やはり松代は投げにくさを感じている。2ボールとなったところで伝令を送る。その次の高めストレートを打ちショートフライ。
7番には先ほどの守備から入っている黒木が打席に。1ボール2ストライクから低めの変化球を打ちサードゴロ。この間にランナー進塁。2死3塁。
8番には先ほどの守備から入った天野が打席に。低めを見極めて四球。2死1,3塁。
9番の東田1ボールから高めのストレートを打ち、ライトフライ。
これで試合終了。
試合総括
両チームとも、予選の戦い方とは異なり、送りバントをきっちり使う攻撃が目立った。
序盤で高岡商業が3点のリードを奪い、試合を優位に進めたかに見えたが、石見智翠館ピッチャー迫広の粘りのピッチングで追加点を与えないことで流れを徐々に引き寄せた。その甲斐あって6回裏に1点を取る。しかし、そこで高岡商業ライト堀がバックホームで刺したことで流れを完全に渡さずに済んだ。
7回裏は高岡商業が1つの盗塁死にめげず2死からもう一度仕掛けるというリスクを負ったことで得点につなげた。2つの盗塁死というのは相手に流れを与えてしまいかねないが、きっちりと盗塁を決めた。また、タイムリーを放った藤井も3ボール0ストライクから打つという積極性を見せた。
石見智翠館としては投手交代のタイミングが非常に難しかったように思う。コントロールが乱れつつある状況でありながら追加点を与えないという粘りの投球を見せたことで、交代のきっかけがつかめず、結果的に点を取られてからの交代となってしまった。
9回裏には石見智翠館が驚異的な粘りを見せた。やや疲れが見える荒井を攻め立て、シングルヒットをつなぎ同点に。代打や途中出場の選手が作ったチャンスを1番を打つキャプテンが同点打を打つという非常に良い流れができた。8回まではやや大振りな場面が見られたが、9回はうって変わってコンパクトなスイングをしていた。
同点になり、サヨナラ負けのピンチが迫る場面でピッチャーを堀に交代。本来は回の先頭から代えても良かった場面であったが、直前の攻撃で走者に出ていたので厳しかっただろう。とはいえ、このような緊迫した場面での登板となって非常に大変であったことは想像に難くない。やはり直前での投球練習ができていなかったこともあり、変化球が入らないが、ストレートでこのピンチをなんとか乗り切った。高岡商業の守備陣も非常に落ち着いて守っていた。
10回表には先頭打者がヒットで出塁も送りバント失敗。死球で1,2塁とした後に9番の鈴木は初球で送りバント成功。2死2,3塁。1番の森田に託すという采配。この采配が当たり、2点を勝ち越す。
10回裏は先頭がレフト前ヒット。やはり堀の変化球が入らない。高岡商業ここで松代に投手交代。この松代がなんとか抑えて試合終了。
高岡商業はベンチの指示が選手にしっかりと伝わっているという印象であった。序盤は低めの変化球を捨てる攻撃を見せていた。守備では伝令の直後から緩い変化球を使うという組み立てに変わった。
一方の石見智翠館は、サイドスローから癖球で打たせて取るタイプの荒井に対して、引っ張り方向の打球が目立つなど、つなぎの意識というのが弱かったように見える。9回以降のような攻撃が序盤からできるようになれば、ものすごいチームへと変貌できるのではないかと思う。来年以降に期待が持てるチームであった。