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元独立リーガーから見た野球界!

その考えはもう古い?良い打順を組むために考えるヒント

さて、今回は打順のお話です!

野球において打順というものは監督の個性や考えが強く出るところでもあり、非常に興味深いです。このオーダー次第で打順が機能し、相手にとって怖い打線へと変貌していきます!

 

目次

 

 良い打順とは…?

いきなりですが、一つ考えてみたいと思います。

 

良い打順とはどのようなものでしょうか?

 

私の中での良い打順とは「同じ9人をスタメンで起用するときに、最も多く点数がとれる打順」です。

 

打順というのはただの順番ではありません。各打順にはそれぞれ役割があり、その役割を果たしていくことでより多くの得点につながります。

その役割というのはある程度のセオリーが存在します。

 

日本式の打順のセオリーとは

一昔前に書かれた野球の本にはこのように書かれていることが多かったです。

 

1番:俊足

2番:バントの名手

3番:打率が高い

4番:最強打者

5番:長打力がある

6番:チャンスに強い

7番:器用

8番:打てなくてもよい。守備がうまい

9番:1番につなぐため、打率が高いかつ俊足

 

 

さて、これを皆さんはどう感じるでしょうか。

自分の考えとあまり相違が無いという人もおられるのではないでしょうか。

 

そして、今でもこのような打順を組むチームも多くあるのではないでしょうか。

 

果たしてこのセオリーが正しいのでしょうか…?

 

アメリカ式の打順の組み方とは

アメリカでは「2番に強打者論」や「3番打者最強論」が存在します。

 

特に「2番に強打者論」というのは先述したセオリーとはかけ離れたものになっています。

ではなぜこのような理論が出てきたのでしょうか。

 

それは、以前のセオリーでは得点の効率が悪いということがわかってきたからです。

特に、2番の送りバントというものの評価が大きく変わりました。

 

下の数値をご覧ください。

 

無死1塁から

バントをした場合

(得点確率=36.5%  得点期待値=0.788)

強攻策をとった場合

(得点確率=42.5%  得点期待値=0.815)

 

東北楽天ゴールデンイーグルス(2010)の一年間のデータです。無死1塁から送りバントをするか、強攻策をとるかと得点の相関を求めた数値です。

 

得点の確立も期待値も見事に下がっています。

 

これを見ても2番にバントの名手が必要だと言えますか?

 

今と昔とではそれぞれの打順に求められる役割は大きく変わっています。

 

もちろんバントが有効な場面もあります。例えば、次打者と比べて、現在の打者の打力が圧倒的に劣るという場合には有効であります。

 

しかし、2番という打席が多く回ってくる打順に打力が圧倒的に劣るような打者を置く必要があると思いますか?

 

それよりは、2番には良い打者を置いて、9番にバントの名手を置いた方が得点の効率は良くなるはずです。

 

なぜなら、9番はあまり打席が回ってこないから打てる打者を置いておくのはもったいない。

また、1番には多く打席が回ってくるから良い打者を置きたい。

 

とするとここに次打者との打力の格差が生まれるのです!

 

すなわち、これが9番にバントの名手を置いた方が得点の効率が良くなる理由です。

 

 

良い打順を組むためには…

最初にも述べたように、得点効率をよくするための打順を組む必要があります。

 

そのヒントとして

 

セイバーメトリクス

 

というものがあります。

 

前回も少し触れましたが、メジャーリーグで多く用いられている選手のことを様々な、かつ膨大なデータから客観的に評価するための指標です。

 

例えば・・・

OPS出塁率+長打率)で打者の総合的な能力を測る

K/BB(与四球に対する奪三振の割合)で投手のコントロールを測る

などです。

 

次回はこれら「セイバーメトリクス」を使った効率の良い打順を組む方法のお話です。

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最後までお読みいただきありがとうございました!